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高橋 成雄*; 櫻井 大督*; 長尾 郁弥; 操上 広志; 眞田 幸尚
シミュレーション, 42(2), p.68 - 75, 2023/06
本稿では、事故後行われてきた地上および空中放射線モニタリングを通じて蓄積されてきた、空間線量率の時空間分布に関するデータから、放射性物質の沈着過程の理解や、除染作業による線量率低減度の評価に関する科学的知見を、視覚解析を通じて得ることができた事例を紹介する。また関連して、今後の原発事故からの復興の施策立案の一助となる重要な知見を効果的に得るための、今後の取り組みについての展望を図る。
山本 耕輔; 柳原 敏*
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(12), p.1527 - 1535, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ふげんにおけるクリアランスに係る一連の作業を作業効率の観点から分析した。その結果、除染が最も作業人工数を必要としている一方で、大部分のクリアランス対象物の汚染の程度は、除染する前から非常に低いことが分かった。これらの結果から、クリアランス対象物は、汚染の程度が十分に低いことを確認した上で、除染をスキップすることがクリアランスの一連の作業の観点から効果的であることを示している。また、クリアランス測定においても全数測定よりも、汚染の程度に応じてはサンプリング測定をすることが可能であることから作業効率の観点から導入することが望ましい。これらの条件及びふげんの実績を踏まえて、クリアランスに係る一連の業務の作業人工数を評価した結果、従来と比較して37%以下にまで低下することが分かった。
瀧谷 啓晃; 門脇 春彦; 松嶌 聡; 松尾 秀彦; 石山 正弘; 荒谷 健太; 手塚 将志
JAEA-Technology 2020-001, 76 Pages, 2020/05
日本原子力研究開発機構新型転換炉原型炉施設「ふげん」(以下、「ふげん」という。)は、約25年間の運転を経て、2008年2月12日に廃止措置計画の認可を取得し、廃止措置に移行して解体作業を進めている。「ふげん」は、減速材として重水を使用しており、原子炉の運転に伴って重水素による中性子の吸収によってトリチウムが生成・蓄積されているため、炉心本体, 重水系及びヘリウム系はトリチウムによって汚染されている。これらの設備の解体撤去に先立ち、環境へのトリチウムの放出量及びトリチウムによる内部被ばくリスクを低減するとともに、作業性を確保するため、廃止措置の第一段階である「重水系・ヘリウム系等の汚染の除去期間」の作業の一環として、これらの設備のトリチウム汚染を除去する作業を2008年度から開始し、2017年度に完了した。本報告書では、炉心本体, 重水系及びヘリウム系のトリチウム汚染の除去作業に当たって作業方法や作業の進捗管理等を検討し、実証した結果を報告する。
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 山田 丸*; 鷹屋 光俊*; 菅野 誠一郎*; 篠原 也寸志*; 中村 憲司*; 甲田 茂樹*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故後の除染作業では、作業者の内部被ばく防止の観点から放射性物質含有粉じんの適切なモニタリング方法の確立およびばく露防止対策が必要である。除染作業時に舞い上がる粉じん粒子の粒径分布及びそれらに対応する比放射能の関係を明らかにすることを目的に、帰宅困難地域内の道路工事現場において行われた重機による表土はぎ取り作業に際し、作業に由来する粉じんおよび粉じん粒子の放射能濃度を測定するために定点および作業者等の呼吸域で粉じんをフィルター捕集した。秤量後、ゲルマニウム半導体検出器にかけてCsを定量した。土壌(粒径2mm以下)の放射能濃度は12Bq/gであった。一方で、粉じんの放射能濃度は100-500Bq/gであり、土壌に比べ比放射能が10倍以上であった。
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 星 勝也
no journal, ,
除染等作業現場の周辺線量当量率及び土壌中放射能濃度と労働者の身体の放射性表面汚染の程度の関係に関する研究を実施し、以下の知見を得た。(1)シミュレーション計算の結果、少なくとも直径30cmの広がりをもった汚染土壌については、地表5cmでの線量当量率が5Sv/h未満であれば放射能濃度は500Bq/g(平成26年4月現在)を超えないと判断できる。(2)作業服及び手袋への土壌の付着密度は、含水率3050%の黒土で1030mg/cmであり、放射能濃度500Bq/gを仮定したとしても表面密度限度を超えそうにない。一方、長靴については、降雨後の農地で500mg/cmを超える付着密度が観測され、濃度によっては表面密度限度を大きく超える可能性が高い。(3)居住制限区域等において除染作業に従事した者の着用した作業服等について放射能測定を行った結果、例えば、比較的ウエットな農地で作業した者の長靴から最大2000Bqを超える放射能が観測されたものの表面密度に換算すると5.1Bq/cmであったなど、いずれの作業においても表面密度限度を超える事例は観察されなかった。また、実験的に得られた土壌付着密度と作業現場の放射能濃度の乗算から表面密度の予測が可能であることが確認された。
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 星 勝也
no journal, ,
作業服等表面に付着した土について、その写真画像と付着密度(g/cm)の関係を整理した。本可視情報は、放射能濃度(Bq/g)が予想できる場合、表面汚染の程度(Bq/cm)の直観的理解に役立つ。